起点

たった一人の教師の人生にフォーカスする

 

「教師のキャリア形成」なんて、誰も考えたことがなかった。
だから、教師のキャリア形成を支援する。

それが、私の目的です。そしてゴールは、

現役の時も、引退した後も、生き生きと輝きを放つ教師を創ること。

これです。

 

私たち教師は、長い間、自身のキャリア形成について無頓着でした。

「教師は聖職」という言葉が力を失った現在であっても、社会的な責務を感じながら、奉仕の精神に基づいて、日夜仕事に励んできました。

しかし、社会の急激な変化に伴う価値観の多様化の影響を受け、学校や教師の権威は失墜しています。

ただ、私は失墜した権威を回復したいわけではありません。むしろ、権威は不要です。

これからの社会は、フラットな関係性の中でいかに大きな価値を創出できるかが問われます。教師と生徒も、教え、教えられる関係になる。学校の教師は生徒の同伴者となり、多様な観点から刺激を与えて、生徒の力を最大限に引き出す工夫が求められます。

ですが、実際はどうでしょうか? 教師は日々の仕事に汲々とし、自身の私生活もままならない印象を強く感じます。私たちは、生徒を飛躍させる存在であり続け、私生活を仕事の犠牲にすることなく、引退後に燃え尽きてしまう寂しさを感じるようなことがあってはいけません。

生徒を飛躍させるには、まず、教師自身が輝く必要があります。そのために、教師は日々の仕事に対する責務を果たすだけでなく、同時進行で私生活を充実させ、同時進行で自身の未来を切り拓いていかなければなりません。

つまり、教師にとって最も必要な視点は、「自身のキャリア形成」なのです。教師はいったん採用されてしまった瞬間から、退職するその日に向けて目まぐるしい日々を送ることになります。そんな中で、多くの教師たちはスキルアップのために講習を受けたり、資格を取ったり、新たなことにチャレンジしています。

しかし、そういった試みはその時々の教育政策やニーズに支えられているだけのことが多く、長期的な視野に欠けています。また、職務上やむを得ず取得した資格やスキルは、勤務校が変わった時点で不要になることも多いものです。

私が提案したいのは、長期的視点に基づき、自身の強みを常に確認しながら、人生のどの時期に、何を身につけておきたいのか、どんなハードルを越えておきたいのかについて、教師一人一人が自覚する重要性です。

学校にかかわる資源は物的・人的に流動的であるため、赴任先の環境下で様々な役割を求められると思います。しかし、単に求められる役割をこなすだけ、期待に応えるためだけに行動していたら、おそらく日々の仕事に消耗し、あるいは表面的な取り組みに終わってしまい、膨大な時間だけが仕事に消えてしまうことにもなりかねません。

もう一度言います。私が提案したいことは、教師を輝かせることです。多くの教師の方々に私のブログを読んでもらい、私の失敗を他山の石に、そして私の考え方に多少なりとも同意できる点があれば、明日からの人生に活かしていってほしいと願っています。

現役教師の皆さんのキャリアをサポートするのが、私のライフワークです。