109 三拍子そろった日

最強の教師

皆さんこんばんは角松利己です。

最近、「今日はいい1日だった!」と思えるような日はありましたか?
今回は、私にとってのそんな1日をご紹介します。

ちなみに、次世代型教育推進協会代表としての「最高の1日」とは、「仕事・私生活・セカンドキャリア構築」の三拍子がそろった日です。

では早速行きましょう!

セカンドキャリアを構築する

テスト期間中だったある日、私は年休を取って帰宅しました。目的はただ一つ。整理されないまま放置されている保険関係の契約を見直すためです。

今契約している保険の内容すべてに目を通し、個々の必要の有無を判断し、場合によっては契約先に電話連絡をしてその詳細を確認するためでした。

その日、私は午後1時に学校を出ました。多くの保険業者は休日の電話取り次ぎがなく、平日も午後5時とか午後7時に閉めるケースが一般的です。しかし、午後5時過ぎは多くの人にとって勤務終了の時間帯になり、回線が混み合います。そのため、もし契約内容の詳細を尋ねるなら、午後の早い時点で電話をする必要がありました。

54歳の私が保険内容を見直そうと思ったのは、理由があります。現在、私名義で加入している保険は、年金や医療などさまざまですが、その合計金額は年間40万円近くになります。

これは、かなりの金額です。教員に成り立ての頃からこつこつと積み立ててきたものもありますが、世事に疎かった私にとって、保険は「生涯の保証」であり、「入っておけば間違いがないもの」でした。

しかし、時代は変わっていきます。そして、人は必ず寿命を迎えます。私がこの世を去ったとしても、残された家族が全く困らないような額のお金を残せるわけではありません。妻は娘を育てるために、数年以内に仕事を見つける必要性に迫られるでしょう。

私は「心配性の自分」がずっと居座り続けていたんだと感じています。同時に、「保険をかけていればなんとかなる」といった、自分の人生を人任せにしてしまうような甘い考えに浸かっていたことも、自覚しました。

「教員は、生徒の成長や校務への精通だけを考えていればいい」。しかしそれでは自分の人生を後回しにしてしまいます。そして、自分の人生を後回しにした時点で、教師として最高のパフォーマンスを発揮できなくなってしまいます。

私はその日、山のようにたまっていた保険証券を整理し、必要な電話をかけ、契約を更新するものと解約するものを決め、小さな達成感を手に入れました。

当たり前ですが、自身が契約している保険の数と種類と内容が把握できていなければ、何かあったときに請求できません。しかも保険は、家族全員に周知されていなければいけません。私に何かあったとき、保険を請求するのは家族しかいないですから。

保険の整理は、私にとって、未来を確認する作業でした。「セカンドキャリアの構築」です。

私生活で成功する

ところで、保険の整理と行った大変な作業を、私一人でできるはずがありません。私がその日、午後イチで帰宅したのは、確認作業を妻と一緒にしようと考えていたからです。

膨大な保険の書類に立ち向かうとき、一個人の記憶はあてになりません。その保険を契約したときに一緒にいた「誰か」の存在は、とても貴重です。案の定、妻は契約した年次と状況を覚えていて、二人でああでもない、こうでもないと言い合いながら、それでもなんとか情報を整理することにこぎ着けました。

でも、仮に私自身の記憶がはっきりしていて、私一人で保険の整理ができたとしても、そうするつもりはありませんでした。私は最初から、妻を巻き込むつもりでいました。なぜなら、保険の見直しは「家族全員の未来に関わること」だからです。そして、そのような大切な作業を夫婦で行うことは、きっとお互いの信頼関係を深める機会につながるといった確信があったからです。

作業には、3時間かかりました。午後2時から5時まで。その間、たくさんの小競り合いをしながらも、妻は根気よく私につきあってくれました。突き詰めて言えば、保険の取捨選択自体は最優先課題ではないのです。私が求めたことは「家族にとって大切なことに正面から取り組み、きちんと話をして、方向性を決めるプロセス」でした。

保険の見直しについて、きちんと時間をとって納得のいく方向性を得られたこと。これが私にとっての「私生活の成功」です。

仕事で成功する

「セカンドキャリア構築」のために保険の見直しを行い、その作業を妻と一緒にすることで「私生活での小さな成功」ができました。残るは「仕事での成功」です。

繰り返しになりますが、この日はテスト期間でした。テスト監督は午前で終わり。採点は、空き時間に集中して済ませていました。

個人の裁量に任されている仕事が終われば、帰宅する。これは9年前、私が45歳の頃から決めている不文律です。チームでの仕事がなければ、学校を離れる。だからこそ、自分の人生についていろんなことを考えることができるんです。そして、多様性を重んじなければならない教師としての資質を維持することもできる。個人の仕事が終わり、チームで行う仕事もなく、生徒もいない。居残り続ける理由はありません。

午後1時を15分ほど過ぎて車に乗り込み、帰宅したあとの想像を車内であれこれ巡らせるとき、私はドキドキしていました。「いきなり帰って難しい話をしたら、妻に聞いてもらえないんじゃないか・・・」「でも、もしこの小さなチャレンジに成功したら、とても大きな満足感が得られるんじゃないか」

私が手に入れたのは、幸いにも「大きな満足感と達成感」でした。

「仕事で成功する」。それは私の定義では「定時で帰ること」を意味しています。さらに付け加えるならば、「何もなければ年休を取り、可能な限り早く学校を離れること」を意味します。教師が長い期間にわたって健康を保ちながら仕事を続けていくために、そしてできるだけ客観的に学校教育を捉え直し、生徒に利益を還元していくために、この視点は欠かせません。

パラレルで3拍子揃えましょう

私たちは、仕事で、私生活で成功し、同時にセカンドキャリアの構築を目指さなくてはなりません。なぜか? もちろん、それがあなたの幸せにつながると信じているからです。

あなたが教師として長年培ってきたものの見方が、もし今のあなたの幸せにつながっていないとしたら、その考えは捨てましょう。パラダイム・シフトを、あなた自身が起こしてください。あなたが本当に欲しいものを手に入れたとき、初めてあなたは周りの人を幸せにすることができるようになります。家族も、同僚も、もちろん生徒も。

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