女性のキャリアを真剣に考えることの大切さ
皆さんこんばんは角松利己です。今回は、本の紹介です。
山口奈生『ワタシを知って、アシタを生きる。: 悩みの無限ループを抜け出す5STEP』
読み進めていくとわかりますが、書籍の後半は、山口さんご自身が形成している「ワタシル大学」のPRになっています。
ですが、そのPRに至るまでのストーリーが秀逸で、飽きさせません。
女性にとってのキャリアとは何なのか?
本書では、山口さんご自身の経験を踏まえながら、この一点についてのみ、丁寧に心境を語ってくれています。
田舎から東京へ。そしてアメリカへ。帰国して独立開業。
女性なら誰でも陥ってしまいそうな状況について、「大切なことは何か?」について気負いなく、自分の気持ちに正直に語っています。このストーリーを読むこと自体に、価値があると感じさせてくれます。
女性のキャリアは、「たった15年」に集約されている
ですが、私が価値を感じた点は、実は「飽きさせないストーリー」や「女性のキャリア」だけではありません。
それ以上に私の目を引いた点は、「出産適齢期に関する現実を教えてもらった」ことです。
・40代や50代になってから出産をした芸能人のニュースは、「ニュースになるくらい稀なこと」
・国が不妊治療のために費用を助成してくれるのは、「43歳までの女性」であること
こういったことは、以前からわかっていたことでしたが、改めて事実として突きつけられると、驚きを隠せません。
さらに、この本を読んで私が最も衝撃を受けた気づきがありました。それは、次の点です。
女性は中学高校で「妊娠するリスク」を教わるが、「出産適齢期」はそれからわずか15年以内であり、そのわずかな期間に「学歴」「就職」「結婚」などのライフイベントをクリアしなければならないこと
・・・多くの女性は、高校卒業時まで妊娠のリスクを刷り込まれ、卒業直後から経済的自立を促され、就職後数年したら「そのうち妊娠できなくなるかもしれない」といった不安を抱え始め、旧態依然とした「男性的価値観を中心とした社会」で生きていかざるを得ない。
わずか15年という期間にこれだけのライフイベントが女性に押し寄せる。男性である私には想像もつかなかったことでした。
その「15年」をサポートするのは、誰か?
現在、日本人女性の結婚平均年齢は30歳と言われています。結婚後に子どもを授かるとすれば、初産は30代前半になるケースが多いでしょう。
つまり、高校卒業後の18歳前後から初産を迎える可能性のある30代前半くらいの期間の女性に対するサポートの手厚さと、その在り方、多様性が問われているのです。
子どもを授かるかどうかは、何より本人の意思が尊重されます。とは言え、少なからぬ女性が「経済的自立のための学びを深め」、「社会参画手段としての仕事に従事し」、「価値観を共有できるパートナーを選択する」というハードルを越え、さらにその先にある「出産」を願うケースは、確かにあります。そして、それを支援するのは、社会全体の責務です。
もしよかったら、山口さんの 『ワタシを知って、アシタを生きる。: 悩みの無限ループを抜け出す5STEP』 を読んでみてください。10代後半から30歳前後の女性に、お勧めします。
ただ、一番読んでほしいのは、男性です。現代の日本を含めた多くの国々の社会では、男性を中心としたシステムで動いています。しかし、当の男性は、そのことに自覚的ではありません。なぜなら、生まれながらにして無意識に享受している権利だからです。
男性自身の持つ当たり前が、そうでない人たちにとっては当たり前でないことに気づくことが、「女性のキャリア」を考える上でとても重要です。そのうえで、男性でも女性でもない、他の多様性を備えた人たちの生き方を理解し、受け入れることが求められます。
余計な人間など、誰一人としていませんから。
公立高校の現役教師。教員経験28年(2021年3月末現在)。「教師は、仕事&私生活&リタイア後の人生、すべてにおいて成功すべし!」が信条。教師が成功すれば、学校は変わり、生徒も魅力的な大人に成長します。まず教師であるあなたの成功を最優先課題にしましょう。
☑心理学修士(学校心理学)
☑NPO法人「共育の杜」オンラインサロン『エンパワメント』専任講師
☑一般社団法人7つの習慣アカデミー協会主催「7つの習慣®実践会ファシリテーター養成講座」修了。ファシリテーターを3年務め、セミナーを開催。
☑ハンドルネーム「角松利己」は角松敏生から。
「原則」&「ビジネス思考」で、教師が自由になるための方法をお伝えします。