49 「教師は本業以外のことに打ち込むからこそ成功できる」と言える、4つの理由

仕事で成功する

とにかく本業以外のことをやろう

皆さんこんばんは角松利己です。
今回は、「教師が職務以外のことに積極的に取り組むと、いいことありますよ!」というお話です。

教師は、とにかく本業以外のことに時間とエネルギーをかけることです。なぜなら、そうすることで、たくさんのメリットが得られるからです。

本業以外のことにかかわるメリットは、次の4点です。視点を変えたり深堀すれば、まだまだたくさんあると思いますが、すぐに思いつくのがこの4点ではないかと思います。順番に説明しますね。

1.視野が広がる

教師が本業以外のことに関わることは、学校の外を見るようになることを意味します。

普段、私たちは学校の仕事に専念していますが、この仕事は「社会からの隔離」状態が余儀なくされるため、視野が非常に狭くなりがちです。

しかし、教師は社会に巣立つ生徒を育てる立場にあります。そして生徒は未来を創る存在です。だから、教師は常に学校の外に向けて視野を広げていなければなりません。

2.本質に近づく

教師が視野を広げることで、物事の本質が見えてくるようになります。

従来の教師は、生徒に規範意識を持たせ、社会性を身につけさせ、知識を授ける存在でした。しかし現在、多様化する価値観は規範意識の絶対性を凌駕し、社会性の相対化を促すばかりです。知識については、「どうやって自分が本当に知りたいことを手に入れることができるか」や「その知識をどの分野でどのように使えば、社会に貢献できるのか」が問われるようになってきました。

社会が成熟した今、ここ数十年で私たちの生き方は劇的に変化し、これからも数年単位で見直しを迫られています。

よって、小手先のテクニックや浅薄な考え方、形式主義に囚われた活動は、廃れていきます。それらは本質ではないし、社会横断的な汎用性を持たないし、普遍性からは程遠いものです。

教師が学校という極めて狭小な社会にいるうちは、物事の本質に迫ることはできません。しかし、広い世界へ目を向けることによって、本質に近づくことはできます。

3.キャリアが見えてくる

教師が広い世界に目を向けて本質を捉えるようになってくれば、自身のキャリアが見えてきます。

まず、あなたが今まで積み重ねてきたキャリアの捉え直しが始まるでしょう。私は「すべてのことに意味がある」と考える人間ですが、もしあなたもそうであれば、「あの時、あの状況で、なぜ私はこのような選択をしたのか」、「その選択や出来事は、今の私にどんなふうにつながっているのか」について考えるようになります。

すると、「すべての選択に意味があった」ことに気づくはずです。今の「あなた」という存在は、「過去の経験の蓄積」です。過去の経験があなたにとってどれだけ大変なものであったとしても、それらをどのように捉え、意味づけるかによって、今のあなたが規定されることになります。

過去を捉え直し、自分の強みや弱み、好きなことやどうしても好きになれないことが見えてくれば、今日この日から、あなたの思考や行動は変化するでしょう。教師であるあなたが何を捨て、何を新たに始めるのかについて考えてみるといいと思います。

そして、このような考え方は「リタイアした後のあなた」も作っていくことになります。

退職後の人生は、長いですよ。そして、退職後の教師は、亡くなるのも早いと言われています。それが仕事に打ち込んだ反動なのか、つまり生き甲斐を無くしたことによるものなのか、わかりません。ただ、私の経験上、その可能性は高いような気がします。学校社会や生徒育成に人生を捧げてきたような教師は、おそらく何人もいるでしょう。尊敬に値する、素晴らしい人たちだと思います。

しかし、「それが私の人生だった」と言い切れるようになるのは、私にとっては難しい。

理由は2つあります。

一つは、「人生とは仕事と私生活の両輪で成り立っている」と思うから。
二つ目は、「学校という枠を超えて、より多くの人に良い影響を与えたい」と思うからです。

4.本業が楽しくなる

私のブログ記事には、「学校や教師に対する批判的なまなざし」がところどころ出ています(笑)。しかし、そのような自己批判的視点は教師に限らず誰にとっても必要だと思っています。そうでないと、成長しないので。

同時に、「あなたの人生がより豊かなものになるのなら、教師を辞めてもいいんじゃないですか?という発言もしています。教師は「手段」であり、「目的」ではないからです。

このブログの本来の目的は、「教師の成功」につながる考え方を伝えることです。その「成功」が意味するものは、
「仕事での成功」、
「私生活での成功」、
「セカンドキャリアを構築すること」
この3点すべてを指しています。盛りだくさんですよね。でも私は欲張りなので、譲れません。

私が「教師を捨てよ」と提案するのは、「仕事を辞めなさい」と言っているのではなりません。日本における「教師」という仕事の社会的意義や待遇については、それなりに理解しています。その仕事をしているあなたに対して、安易に「辞めたら?」とは言いません。

ただ、教師を捨てることでいいことがたくさんあると思うから、そう言っているだけなんです。それは、

・精神的に楽になる。
・本業が楽しくなる。

この2つが理由として大きいからなんです。

「教師を捨てる」ことは、ひとことで言えば「べき論」を手放すことを意味します。ここでは詳述しませんが、教師が教師を捨てれば、誰もが幸せになれます。そして、本業が楽しくなることも保証します。

今まで仕事に費やしていた時間やエネルギーを、「外の世界を見ること」に向けてみてください。

教師の仕事は、7割でいい(私は4割くらい)。
あなたには、残る3割の時間とエネルギーを、違うことに向けてほしいと思います。

たとえば、

・どうしたらこの仕事をしないで済ませられるか。
・どうしたら早く職員室を出られるか。
・どの時間に集中すればその日の全体像を見通すことができるか。

こういったことを徹底的に考えます。そして次に、

・どうしたら生徒を大人にできるか。
・どうしたら生徒への関与を減らし、彼ら自身に委ねることができるか。
・どうしたら生徒に未来を見せてやれるか。

などについて考えてください。それができれば、

・どうしたらより多くの人に良い影響を与えられるか。
・私が生まれた意味は何か。

こういった問いについて、考えるようになります。これは、あなたが生を全うするために不可欠な視点です。

私は、いつもこんなことばかり考えています。でも、それによって、本業が以前よりずっと楽しく、打ち込めるような対象になったと思っています。それは、いつも本質とは何かについて考え、改善点を探し、合理的で効果的なプロセスを辿っているからです。

結果が出ないことは、やらないようになりました。公立高校は結果を求められることもありますが、仮に出なくても罰が与えられることはありませんよね。もちろん、教育の本質に従えばそうなりますし、「成果主義」になじむような場でもありません。

しかし、それでも「結果」は必要です。私見ですが、学校という場に必要な「結果」とは、「微調整」だと思っています。つまり「生徒や教師を取り巻く環境を不断に微調整することが可能であること」です。これが、学校をよくするための、おそらく最速の考え方です。

私たちは複数の領域にかかわることで、各領域間の相互作用から生じるさまざまな恩恵を受け取っています。

家庭で嬉しいことがあれば、授業では笑顔になります。逆も然りです。

だから、「仕事」と「私生活」は、車の両輪と言えるんですね。ただそれだけでなく、教師はどんどん領域を広げる必要があります。そうすることで、別領域からの恩恵を受けてください。別領域からの恩恵とは、あなたがそこで受け取る「自信」「充実感」「達成感」「知識」「関係性」「視点の広さ」「将来性」などのすべてを指します。

禁断症状が出ました

今、私は午後になるとちょっとだけ苦しくなってきます。

「仕事は8割がた済んだ」
「何か刺激が欲しいけど・・・ここにいても得られないなぁ」
「誰かとアイディアの交換がしたい・・・」

夏休み中の勤務では、「午後2時まで仕事に取り組む」のが限界でした(笑)。

そして、今日。
私は仕事の区切りをつけたくて、ちょっとだけ居残りました。教務室を出たのは、「5時20分」です。

その時はもう、胸の奥がザワザワしていました。

「5時20分? 何で5時ちょうどに職員室を出られなかったの?」

私は定時で帰れなかった理由を探し、突き止め、次への修正課題にして帰路へ。

・・・こんな私を、あなたはどう思いますか?

「5時20分で帰ろうとする奴は、教師じゃない」
「私は毎日、早くても午後8時を回らないと帰れない」
「管理職や同僚がいる手前、そんなに早く帰れない」
「家に早く帰っても、それなりに大変なことがある」
「生徒のために十分な準備が必要だから、最大限学校に残るようにする」

どれも正しい。でも、どれも間違っています。

あなたがそれを望むなら、
そう望んだことを他の要素が許容してくれるなら、
あなたに永遠の命が与えられているなら、それでいいと思います。

でも、そうじゃない。きっと、あなたも「これでいい」とは思っていない。
だったら、それが実現するように考えることです。そして、実行することです。

あなたにとって大切なことに優先順位をつけて、順位の高いことから1つずつクリアしていく必要があるのです。
あなたの人生にとって優先順位が低いこと、不要なことは捨てる必要があるのです。

あなたにも私にも、与えられている時間は意外と残り少ないのですから。

教師こそ広い視野を

とにかく、本業以外のことをやりましょう。

その理由は、次の4点です。

視野が広がるから。
本質に近づけるから。
キャリアが見えてくるから。
本業が楽しくなるから。

仕事を終わらせ、完璧を目指さず、刺激を吸収し、やりたいことをやるために、本業との相乗効果を期待して。

そして何より、時間は有限だから。

本業以外のことをやりましょう!(^^)!

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