皆さんこんばんは角松利己です!
今回は、「ただやみくもに仕事をしているだけだと、人生が見えなくなりますよ!」という話をしますね。
以前も採り上げた、教師専門のキャリアコーチである藤井秀一(ふじいひでかず)さんのメールマガジンをヒントにしました。まず、メルマガの概要を書きますね。
「やりたいことが、わかりません」
以前、ある中年の女性(学校の先生)と会う機会がありました。
その女性はこう言いました。
「もう30年近く教師をしていますが、このまま定年を迎えるべきかどうか悩みます。」
定年後のことについて、漠然とした不安を持っているようでした。
「もし定年前に退職するとしたら、どのような仕事や生活をお考えですか?」
と問いかけると、「わかりません」という一言。その後、話の過程で、ある重大な問題が見えてきました。
それは、「その女性は、自身のキャリアについてゴールを設定していないということ」だったのです。
多くの教師が、定年退職をゴールであるかのように捉えています。
しかし、断言しますが「定年退職はキャリアのゴール」ではありません。仮に人生を90年として、その人生を「一日の時刻」に置き換えて考えた場合、「60歳」は「16時」です。「30歳」は「午前8時」に過ぎません。30歳の人は、「これからやっと一日が始まるくらいの、チャンスをたくさん作れる位置」にいるわけです。
先の女性教師は、さらにこう言いました。
「私には何も特徴がないんです。」
「何の役職にも就いていない自分の立ち位置」に不安がある様子が感じられました。
この言葉に対して、私はこう返しました。
「30年近く、当たり前を当たり前にやり通した実績は、その人の能力と知見に裏打ちされたものと言えます。あなたは自身の実力に気づいていないだけですよ。」
・・・さて、あなたはこのやり取りを聞いて、どう感じましたか?
実力の掘り起こしをしよう
私は、こんなふうに思いました。
▼藤井さんの言うように、定年退職がゴールになるはずがない。仮に90歳まで生きるとして、退職後の30年を、何に向けて費やすつもりなのか? 情熱を注げる対象が定年退職の時点で決まっていなかったとしたら、せっかくこの世に生を受けた幸運をフルに使い切ることはできないだろう。
▼おそらく教師のほとんどが、自身のキャリアについてゴール設定をしていない。毎日、なんとなく充実感を覚えながら、あるいは怠惰な校務を無目的にこなしながら人生を生きている。退職後は、退職金と年金で「何とかなる」と思っている。
▼「60歳は、まだ16時」ではない。「もう16時」だ。仕事に打ち込みながら、並行してセカンドキャリア構築について真剣に考え、少しずつ準備を進めていかなければ、何のビジョンもスキルも持ち合わせていない教師は、途方に暮れてしまうだろう。その後の人生に何も望まず、社会に貢献もせず、慎ましやかに生きていくなら別だが。
▼自身の「実力」に気づいていない教師は、確かに多いだろう。しかし、「実力」の掘り起こしをしたことがある教師は、どれくらいいるだろうか? あるいは、「自分に実力がない」と気づきながら実際に行動を起こしている教師はどれくらいいるのか? さらには、「私には本当は実力がない(あるいはその「実力」は学校の中でしか発揮できない)」といった自覚すらない教師の数は?
・・・珠は磨かなければ光らない。あなたの「実力」だって同じはずですよね。長い時間をかけてあなたの中に蓄積されてきた力を発揮するには、まず、あなたが「何を身につけてきたのか」について内省することが必要になってくるでしょう。
その結果、「私には社会で通用するほどの力はなかった」と思ったのであれば、次は行動に移すしかありません。あなたがセカンドキャリアとして思い描いている人生を実現するために必要な考え方、スキル、それらを手に入れるために行動するんです。もちろん、本業の傍らに、です。その時間を捻出するのもあなたの気持ちと工夫次第だし、どれだけコストをかけるかも、あなたに委ねられています。
始末に負えないのは、「自身の力の無さに無自覚な教師」でしょう。
そういった教師は、むしろ自分に「力がある」と感じているケースが多いようです。従来のやり方でうまく行っていたのであれば、更に良いやり方があってもシフトチェンジすることはありません。「過去の栄光」を信じて、定年まで行ってしまう。そんな教師です。何年かぶりに会っても、以前と思考や行動パターンが変わっていない人たちは、これからは非常に苦しい立場に置かれるでしょう。それでも、本人が無自覚であればハッピーなのかもしれませんね。
人生は「仕事」だけでは構成されない
だいぶ厳しいことを書きましたが、多くの教師にとってはこれが現実だと思っています。教師は仕事に明け暮れるケースがほとんどです。かつても私もそうでした。でも、人生は「仕事」だけでできているわけではありません。「仕事」は「私生活」や「家庭」によって支えられています。そして退職後は、あなたが情熱を注ぐ「次の目標」が必要になります。もちろん「仕事」自体も納得の行く形で進めていきたいと願っているはずですよね。
欲張りですが、全てを手に入れてください。どれ一つ欠けるわけにはいきません。私達の人生は、誰にとってもこの3つで構成されているからです。
そして、先の女性教師のように、「何がしたいですか?」と問われて「わからない」と答えることの切なさを想像してみてほしいんです。仮に、やりたいことが決まっている場合でも、ほとんどの人は準備をしていません。しかし、現実は「準備9割」で動いているものです。
まとめ
✓定年後の人生を真剣に考えているのなら、セカンドキャリア構築の視点を持とう。
✓セカンドキャリアの構築は、本業と同時進行で。仕事にかまけていたら、60歳で燃え尽きて終わり。
✓セカンドキャリアは、あなたの実力の掘り起こし作業を始めるところから。
✓どんなに平凡な人生を送ってきたとしても、その平凡を支えた非凡があるはず。それがあなたの実力。そしてセカンドキャリアにつながる資源。
掘り起こした結果、自身の実力が自覚できないのであれば、そもそもの「人生のゴール」を考えてみる。あなたは生きているうちに何を成し遂げたいと願っているのか。あなたが情熱を注げる世界はどこにあるのか。そういった願いを達成するために、新たな力をつけましょう。
公立高校の現役教師。教員経験28年(2021年3月末現在)。「教師は、仕事&私生活&リタイア後の人生、すべてにおいて成功すべし!」が信条。教師が成功すれば、学校は変わり、生徒も魅力的な大人に成長します。まず教師であるあなたの成功を最優先課題にしましょう。
☑心理学修士(学校心理学)
☑NPO法人「共育の杜」オンラインサロン『エンパワメント』専任講師
☑一般社団法人7つの習慣アカデミー協会主催「7つの習慣®実践会ファシリテーター養成講座」修了。ファシリテーターを3年務め、セミナーを開催。
☑ハンドルネーム「角松利己」は角松敏生から。
「原則」&「ビジネス思考」で、教師が自由になるための方法をお伝えします。