103「小学校の教科担任制」は、生徒や教師の幸せにつながる。

皆さんこんばんは角松利己です。今回は、「小学校の教科担任制」について記事を書きます。

2022年度から小学校では、外国語(英語)、理科、算数、体育の4教科を対象に、教科担任制を整備するための教員増が図られることになりました。(中略)

文科省によると、採用された教員は原則担任を持たず、複数校で教えることもあるとのことです。一方、授業に余裕のある小規模中学校の教員が小学校で授業を受け持ったり、大規模な小学校で教員同士が授業を交換したりする手法を導入することで増員幅を圧縮していくと伝えられています。

定年延長を見据えたとき、高齢層教員の多くが学級担任をすることは現実的にはなかなかハードルが高く、小学校での教科担任制を積極的に導入するなど、ワークシェアをしていく必要があると考えます。(藤川伸治氏 2021.12.25)

私は、こう考えます。

複数校を移動しながら多くの学校文化とふれあう機会を持つことで、教師の働き方にバリエーションがもたらされると思います。

複数校を掛け持ちする教師は、おそらく「お客さん」教師になる可能性が高いですが、「お客さん」にしてしまうのが学校教育の文化的土壌であることは否めないので、受け入れ側の意識変革が必要になるか、「お客さん」教師自身が割り切るか、どちらかになるでしょう。

ただ、私はそんなことよりも、メリットの大きさの方に目がいってしまいます。その理由としては、以下の3点が挙げられます。

・教師自身が、自身の興味関心創意工夫のすべてを、一定の領域に投入できる点。
・教師自身が、異なる価値観に触れることのできる点。
・狭い人間関係のしがらみから解放され、信念と子供たちにとっての利益に基づいて提案ができる点。


1人の教師が1校に縛られないことで、学校の空気が変わるはずです。

とはいえ、従来の日本の学校教育のあり方との乖離が大きいと感じる人は、かなりいるでしょう。私は、アメリカのように、「その学校に勤務しているけれど、教科指導の責任を持つことに限定される」教師のあり方が、中庸ではないかなと感じます。

おそらく、「アメリカ式」や「複数校勤務」を受け入れがたいと感じている方々は、「生徒の成長には、特定の大人がある程度の期間寄り添って、教科指導だけでなく全人格的教育を施す必要がある」といった信念をお持ちなのかな?と思います。もしくは、教師自身が「濃密で情緒的な関係性を維持したい」と考えているか。

ですが、私の考えは違います。

可能な限り、多くの価値観(それは「文化」とも言えます)に触れることで、人は成長します。選択の余地を与えることで、自己肯定感も高くなります。「苦しい、合わない」と思えば、離れることもありでしょう。

もちろん、学級担任をしたい方は、積極的に持ってもらうべきでしょう。一方で、複数校を掛け持ちする方がいてもいい。大切なことは、「個々の教師の特性や希望に合った働き方が用意されていること」と、「そうすることが次世代の担い手育成につながること」のバランスがとれていることです。

そのために、教師ができること。

それは、誤解が生じることを承知で言うなら、
「教師以外の人間と話をしよう」
ということです。

狭い世界から一転、広い平原を見渡せば、「どうすれば、たくさんの人が幸せになるのか?」について、自然と考えるようになるはずです。

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