72 教師は「サブスクリプション・モデル」を構築せよ

セカンドキャリアを構築する

皆さんこんばんは角松利己です!

今回は、「教師のあなたがセカンドキャリアを考えるなら、こんなモデルがありますよ」という話をします。ぜひ参考にして下さい。

「サブスクリプション・モデル」とは?

最近、「サブスクリプション・モデル」(以下、「サブスクモデル」)という言葉がよく聞かれます。これは、一般的には「毎月定額の使い放題サービス」と認識されています。つまり、「定期的に収益をもたらすビジネスモデルの1つ」ということです。

たとえば、「雑誌や音楽、動画、ファッション、雑貨などの動画配信サービス」が巷では溢れていますよね。あれです。私も毎月、「amazonプライム」で欲しいものを購入したり、「dマガジン」で多くの雑誌を購読したりしています。比較的安価で毎月払い続けていても家計を圧迫する必要がないことや、お試し感覚で多くの情報に触れることができる点が魅力ですよね。

ところで、サブスクモデルは「定額の使い放題サービス」と前述しましたが、西井敏恭さんは著書で、次のように定義しています。

サブスクリプション・モデルとは、顧客が商品やサービスを使い続けたい気持ちを作ること。」

『サブスクリプションで売上の壁を超える方法』翔泳社、2020年初版

「継続課金モデル」という点では変わりがありませんが、西井さんが重視している点は、「顧客から継続的にデータを取得し、得られたデータを次の顧客向けサービスに活用していくこと」です。つまり、「データ活用」が必須であるとしている点です。

継続的にデータを活用することで、日々軌道修正を図り、顧客に最適化したサービスを提供し続ける。もちろん、一般的な「継続課金モデル」も、日々新たな価値観を添えてサービスを提供していることに違いはありません。しかし、西井さんは「サービスを提供する側が、顧客から継続的にデータを入手することが大切なんだ」と言っているわけです。

よって、あなたがもしサブスクモデルをセカンドキャリアに位置づけたいと思うのであれば、あなたに必要な力は、「顧客データの活用スキル」ということになるんでしょうが、それはあくまで「スキル」の次元の問題でしかありません。

それ以上に大切なのは、「サービス向上のためにどんなデータが必要なのか」を考える力と、そもそも「顧客データを集めようと思うのかどうか」という点です。これは言い換えれば、「顧客の永続的な繁栄を心から願っているかどうか」ということになります。

つまり、あなたが「継続課金モデル」をセカンドキャリア構築の手段として考えたいと思っているのであれば、「常に顧客の期待に応えたい。そして期待に応えるためにベストを尽くしたい。」という気持ちが、大前提として必要になってくる、ということです。

学校教育は「売り切りモデル」

では、あなたが普段やっている仕事は、どんなモデルなんでしょうか?

私が思うには、学校教育とは「売り切りモデル」ということです。つまり、こうです。

学校は、毎年、生徒が卒業し、その代わりに新たな生徒を受け入れる場所です。あなたの目の前の生徒たちは、どんどん入れ替わっていくのです。あなたは、「そこにいればいい存在」です。定点観測を続けていればいい。生徒がどんどん変わっていくわけですから。あなたの目の前にいる生徒と知識と時間を共有する。それが「教師」の仕事になるわけです。

つまり、学校教育は「売り切りモデル」。言い方は良くないかも知れませんが、知識と時間を「売った」ら、「はい、さよなら」と言って、次の顧客に「売る」わけです。顧客が後でやって来て、「この商品、良くなかったから交換して下さい」と言っても、通常、それに応じることはありません。「すみませんが、商品の返品や交換は受け付けておりません。」と言って、丁重にお引き取り願うだけです。

では、教師がセカンドキャリア構築の手段として、サブスクモデルを志向することは可能なんでしょうか?

誰もが「サブスクモデル」を目指す理由

現在、これほどまでにサブスクモデルが広範囲に行われて、しかも一定の支持を集めているのには、理由があります。それは前述したような理由もありますが、ここでは「サブスクモデルを導入する側」に立って考えます。

多くの人が、サブスクモデルをしてみたいと思うのは、おそらく2つの理由があるからです。それは、

・価値観の合う人と、濃密な関係性を築けるから。
・長期的につきあえるから。

「継続課金モデル」は、「ずっと使い続けるモデル」ですよね。あなたが何らかのサブスクモデルを作って顧客を集めたいと思ったとき、考えることは2つです。

・稼げる領域を選ぶ。
・自分が運営していて楽しく、充実感を覚えられる領域を選ぶ。

たとえば、経済的な成功を目指すのであれば、あなたは「稼げる領域」を選ぶはずでしょう。その領域に興味関心がなかったとしても、「お金目当て」という強い動機があるならば、それはそれで構わないと思います。

しかし、「その領域でお金が稼げること」が仮にわかっていたとしても、そういった領域では熾烈な競争が展開されます。あなたは教育のプロですが、金銭という利益を生み出すプロではありません。まず、勝ち目はありません。

ならば、狙うべきは「楽しく、充実感を覚えられる領域」を選び、あなたの情熱とコストを注入する方向です。運営し始めてすぐに利益を上げることは難しいでしょうが、やっていて苦にはならないでしょう。

巷でこれだけサブスクモデルがはやっているのには、理由があるのです。

それは、モデルを運営する側が、「楽しく、充実感を覚える(あるいは他者貢献の感覚が感じられる)領域で、あなたと近い価値観を持った人たちと、長期的かつ濃密な関係性を築けるから」です。

サブスクモデルは、規模が大きいものばかりではありません。個人事業レベルで、特定の人たちに大きな価値を提供している運営者は大勢います。Amazonプライムdマガジンを運営していなくても、あなたが情熱とコストを注入できる領域があれば、実現は可能です。

あなたが「サブスクモデル」を構築するために

さて、いかがでしょうか。あなたのセカンドキャリア構築の選択肢として、サブスクモデルは検討の余地があるでしょうか?

ここまで読んでいただければ、「あなたがサブスクモデルに取り組めるかどうかを決める要素」が何であるかが、見えてきたのではないでしょうか。

私の、あなたへの質問は、次の3点です。

・顧客と継続的な意思疎通を行うことができるか?
・新たなスキルを身につける努力をする気があるか?
そして、そもそも
・情熱とコストを注入できる領域が、あるか。

サブスクモデルは、「顧客からのデータを改善に回す」ことが不可欠です。つまり、「対話型ビジネス」の一つと言えるでしょう。顧客の成功や成長を第一に考え、顧客と継続的な意思疎通をするつもりがあるかどうかが問われます。

顧客の動向にアンテナを張って、そのニーズに的確に応える。少なくとも、応えようと努力する。

現在、あなたの「顧客」は「生徒」です。もしあなたが早く準備を始めようとするのであれば、あなたがやるべきことの一つは「生徒のニーズにアンテナを張り、応えようと努力すること」です。

さらに、仕事とパラレルで「新たなスキル」の獲得に動かなくてはなりません。特に、情報関係のスキルに疎いと、これからは非常に厳しい状況になると思います。新たな分野へのチャレンジも、あなたの適性を見極める材料になるでしょう。

そして、これが決定的なことなんですが、

「あなたの情熱とコストを注入できる領域」を、模索すること。

このことを真剣に考えてみて下さい。

あなたがリタイアした後、あなたを雇ってくれる企業はありません。教師は、一般社会におけるスキルを持ち合わせていないのです。教科の専門性を活かして塾を開くか、教育相談が好きならカウンセラーの道を歩むか―――。しかし、これは言うほど簡単なことではありません。競合は多く、教師のあなたがその分野で成功できる可能性は、きわめて低いと言えるでしょう。

では、どうするか?

私の提案は、

・あなたの「好き」で「得意」をマネタイズできるように、正しい努力をできるだけ早く始め、退職するその日まで、その努力を継続し続けること。
・仕事の上では、「対話型サービス」の観点を持ち続け、双方向性のやりとりを日常的に心がけること。

あなたがサブスクモデルをセカンドキャリア構築の一手段として検討するなら、避けて通れない考え方です。でも、私はこの考え方をオススメします。なぜなら、そうすることであなたは

教師として大きな魅力を手に入れ、仕事だけでなく、人生全体を輝かせることができるようになるから。

あらゆるタイミングを捉えて、新たなチャレンジを始めてみてください。
この機会に、いろんな可能性を考えてみませんか? そして、行動に繋げてみませんか?

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