24 あなたをクビにできるのは、あなただけ

仕事で成功する

あなたのスキルは、対価にふさわしいものか?

「もしあなたが今、この瞬間に教師をクビになったら、どうしますか?」

45歳の当時、教師になってほぼ20年になっていた私は、かつて自らに問いかけてみたことがあります。まず考えたのは、どうやって生活を維持するか、でした。

私は教員資格以外でお金を稼ぐ手段を持ち合わせていません。

一応、「資格」と呼べるものもあるにはあるのですが、自動車運転免許、自動二輪免許、大型自動車免許など、移動・運搬手段の資格でしかなく、現在50歳を過ぎた私がその資格を使って生計を維持することは現実味がありません。

他にも、サッカー審判3級資格や第2種衛生管理者といった資格もあるにはあるのですが、「・・・・・・それでどうするの?」と質問されれば、返す言葉がありません。

つまり、私が今、この瞬間にクビになってしまったら、明日からはもう暮らしていくことができなくなるわけです。

実は、この質問を自らに問いかけたのには、理由があります。

それは、「教師としての私のスキルは、お金がきちんともらえるものとしてふさわしいだろうか?」という疑問を持ったからでした。

20年以上も教師を続けていると、大概のことには対応できてしまいます。教師として一定の年月が経てば、生徒指導においても進路指導においても、ある程度はそつなくこなせるようになるため、自らを律する気持ちが色あせてしまったら、新たにスキルアップを目指そうとはしなくなります。

もちろん、異動のたびにその時々の赴任先に合わせて専門スキルを磨く必要は出てきますが、一年も経てば身につくものです。

さらに言えば、赴任先ごとに必要なスキルというのはそれほど高いレベルが求められるわけでもありません。同僚の様子を見ながら、学校の雰囲気を感じ取りながら、各校の年間行事計画に合わせて進めていけば身につく程度のものです。

価値創出を考える

教師としてお金をもらう、というのは、「生徒に働きかけて、結果を出す。」ということです。「結果」は勤務校の特性に合わせて変わっていきます。たとえば「大学合格者8割以上」とか「就職率100%」とか、いろいろあるでしょう。

ただし、そのような数値目標はあくまでも「目標」に過ぎず、達成されない場合でも教師の給料が減額されたり待遇が悪くなったり厳しい批判を浴びたりすることはありません。そのため、教師が切迫感を覚えながら仕事に取り組むという事態は、まず起こりません。

では、どうするのか?

それは、私たち教師が「自分は今、どんな価値を生み出しているのか?」ということを常に考えながら仕事をする以外にない、ということです。

ルーティーンワークをこなして仕事をしたとは言えません。

自らが設定した「生徒にもたらした結果」という尺度に照らしながら、自身の言動を修正し、一致させ、新たな提案をしながら今日という一日を昨日よりもほんの少しだけ実りあるものにする。そういう姿勢が必要です。

教師をクビにできるのは、教師であるあなた以外存在しません。そして、新たな価値を生み出すことに自覚的な教師は、クビになることはないのです。

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