106 センセイのお仕事はビジネスにつながる

皆さんこんばんは角松利己です。
今回は、「こんなものもビジネスなるんだ」という気づきをシェアしたいと思います。

Canvaが教えてくれたこと。褒められて嫌な人はいない。

ちょっと前に、下記文面のメールが届きました。送信元は、「Canva」。高機能を格安で提供するグラフィックデザインプラットフォームです。

よくできました!これで、Canvaで作成したデザインが50になりました。
あなたには、この達成を祝うメダルを受け取る資格があります。
このニュースを共有したいですか?では、自分でお祝いの投稿をデザインしてみましょう。
Canvaより

この文面の下に「自分の成果を見る」というボタンがあったのでクリックすると、Canvaの画面に飛んで、下のような「表彰状」が出てきました。

Canvaより

私がすぐにやったこと。・・・もちろん、わかりますよね? そうです。(名前をここに挿入)のところに自分の名前を入れて、動画形式でダウンロードしたんです(笑)。

すぐに名前を入れたくなります・・・

これって、人の心の機微をよく捉えていると思いませんか? 

褒められて嫌な人は、いない。
(たとえそれが、どうでもいいくらいの小さなステップであっても。あるいは企業のアピールであったとしても)

実際、私は嬉しかったし、あなたにこの気持ちを伝えようと思ったから、こんな記事を書いているんです。「Canvaというサービスを紹介したい」という気持ちというより、私のミニマム・ハイな気分をあなたと分かち合いたいと思ったからなんですね。

個人の進捗状況に伴走するサービスには価値がある

人間心理を巧みについてくるこのような類のサービスは、ビジネスの基本だと思います。

ビジネスって、形のある商品を売るばかりではありません。形を持たないサービスは、いくらでもあります。

今回のような、「画像が添付されたおめでとうメール」は、とてもクレバーなサービスと言えます。

  • コストがほとんどかからない
  • 自動化できる
  • サービス利用継続につながる
  • 人間味のあるかかわりになっている
  • ほんのちょっと嬉しい

システムさえ組んでしまえば、お金や労力をかけずに、人の気持ちにちょっとだけ寄り添うことができる。世の中で広く受け入れられているサービスの多くは、こういった工夫をしているはずです。

特に私の目を引いた点は、「個人の進捗状況に伴走するサービスには、かなり高い価値とニーズがある」という点です。

今回、私は「Canvaというサービスを利用して50件のデザインを作った」に過ぎません。もちろん自分が今までにいくつのデザインを作ったかなんて気にも留めていませんでしたし、たくさんデザインしたからと言って私に何かしらの利益がもたらされたわけでもありません。

ですが、「あなたは今、ここにいます!」とか「あなたはここまできました。あと少しです。頑張って!」のようなメッセージは、人の心をほんのりと温かくさせるものです。

ちなみに「50件のデザインを作ったこと」は、「進捗状況」ですらありません。それは「事実」でしかないのです。

にもかかわらず、私は「よし。もっとこのサービスを使ってSNS投稿用の動画や画像を作ったり、納得のいくコンテンツを作ったりしよう。」と思わせれられました。

おそらくですが、「進捗状況の達成度をお知らせするサービス」以上に、「個人の事実としての歩みを祝福するだけのサービス」の方が、ありのままの状況を受け止めているという点で、ニーズが高いんじゃないでしょうか。

学校のセンセイは、いつも誰かを祝福している

ところで、このような「サービス」を、学校のセンセイ方は普段からやっていませんか?

そうです! 気がつきましたか? 子どもたちへの「表彰」です。

私たちは、特に小学校の先生はそうだと思いますが、ちょっとしたことで子どもたちを「表彰」していませんか? 

  • 100点満点を取れたら金のシール
  • クラスに貢献したら手づくりの表彰状
  • いいことをしたら家庭連絡帳にハナマル

・・・小さな働きかけを挙げていけば、キリがないほどでしょう。

子どもたちは、毎日ちょっとした喜びを感じていたい。あなたが些細なことをきっかけにして子どもたちを褒めてあげていることで、子どもたちは自己肯定感を高め、学校を居心地のいい場として感じてくれるでしょう。

もっと言えば、子どもたちが「何も達成していなくても」、彼らの心に寄り添うことはできるはずです。そうです。「あなたは今日で、100日間、2年生をやりました。おめでとう!!」。これで十分です。

そして、それは大人である私たちも一緒です。大人だって、いや、普段は褒められることから縁遠い大人だからこそ、「なんでもない事実」をただ認めてあげるだけで、きっと素直に嬉しいんじゃないかな?と思います。

祝福は、立派なビジネスになる

進捗状況を祝福する。ビジネス的な話をすれば、ネット上における個人の活動もしくは購入履歴がわかれば、企業のビジネスとして成立するでしょう。そして「祝福」は人間の気持ちに寄り添う行為であるため、商品購入を働きかける企業からすればきわめてクリーンでスマートな手段として、消費者に受け入れられるはずです。

学校のセンセイであるあなたは、日常的に「祝福」という行為をしています。そうすることで、だれかを幸せにしている。そして「祝福」はビジネスになる。

生徒のノートにハナマルをつけながら、ビジネスの萌芽を感じてください。

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