98 教師のキャリア構築は「夏休み」から始まる

セカンドキャリアを構築する

皆さんこんばんは角松利己です。
今回は「長期視点は武器になる」というお話です。

経験を積んでプロになれ

ブログの専門家に、なかじさんという方がいます。なかじさんはメルマガで、こんな風に言っていました。

長期視点でブログ運営をしていくには、3つのアイディアがある。

1.趣味ブログから始める。
2.経験を積んでプロになる。
3.オフ会でファンを獲得する。

「趣味レベルから始める」というのは、理に適っています。退職後にいきなりラーメン屋を開きたいという人は一定数いると思いますが、まず勝ち目はありません。

なかじさん曰く、

夏祭りの出店で、カレーをずっと提供し続けてお客さんに喜んでもらって、そのあとに、ラーメン屋さんだったり、カレー屋さんを出して繁盛させる人。どっちがうまくいくかと言えば、いきなりやるよりも、下積みの期間のある方が絶対上手くいく可能性は高いです。」

ということです。

次に「オフ会でファンを獲得する」方法ですが、可能な限り多くのオフ会に参加して、自分のブログの話をして、好きになってもらうということです。

ですが、膨大な時間が必要になるこの方法は、簡単に実現できません。

私が興味をひかれたのは、最後のアイディアです。それは「経験を積んでプロになる」という方法です。

経験者は「権威性」と「信頼性」を獲得する

もう一つ長期視点で考えたときにできることとしては、就職してプロになることです。そういうこともいいと思います。今のブログは、権威性とか信頼性が重要と言われていて、プロが強いです。

誰か分からないド素人が教える格安スマホよりも、元々ドコモショップで店長をやっていた人がオススメしている格安スマホ。後者の方が求められるんです。

この、なかじさんの言葉には、誰もが納得するんじゃないでしょうか。

センセイは経験値を高めていますか?

ところで、「センセイの夏休み」です。
あなたは、この休みに、何を達成したいと考えていますか?

今日は7月26日。勤務校の始業式は8月26日です。

ひと月あるんです。

多くの教師が、普段よりもずっと緩やかな時間が流れるこの期間に、何をすると思いますか?

・・・なんと、教材研究に励むんです。

もちろん、私も例外ではありません。夏休み中は「保護者面談」や「夏期講習」、「様々な研修」が用意されていて、普段やらない仕事に取り組む必要が出てきます。ですから、空き時間を見つけて教材研究に励むのは、納得のいく時間の使い方と言えるでしょう。

ですが、最優先事項は他にあります。

長期休業中だからこそ、変化が必要

昨日は、当ブログサイトを「協会サイト」にリニューアルしました。
わずか2日間で一気に模様替えをしたんですが、それを可能にしたのは、今まで書き溜めていて、ずっとオープンにしてこなかった私の「思い」が、原稿として手元にあったからです。

また、思いをできるだけ多くの人に届けたいと思っていたので、今までやっていた「ブログ記事のポッドキャスト配信」を、Anchorだけでなく、stand.fmに広げました。

・・・まだまだ足りない。やりたいことは、山ほどあります。たくさんある「やりたいこと」を一定期間内に形にするには、

全体像をイメージし、
部分を網羅し、
順序良く配列し、
少ないコストで大きな収穫が得られるように計画を立てる必要があります。

同じ場所にとどまり続けたら、経験値は上がらない

なかじさんは、「就職してプロになる」ことを勧めていました。これはもともと、「長期視点でブログを成功させる」という目的達成のための方法の一つに過ぎなかった提案です。

ちなみに、元国家公務員でセカンドキャリアとして公務員対象のキャリアコンサルタントを仕事にしている安彦和美さんは、メルマガで次のように言っています。

✔公務員がブログをする背景には、強い危機意識と痛みがある。
本当に欲しいのは、収益ではない。安心感と心の拠り所なのだ。災害の被害体験が刻みつけられると、防災意識も強くなるのと同じこと。

✔公務員として、さまざまな制約と縛りの中で仕事をしているのは、鉄下駄を履いて走っているようなもの。高倍率の試験を突破して、今のポジションを得たあなたなら、制約のない外の世界に出たら、今より10倍の速度はゆうに出せるし、世界72億人に届けられる仕事ができる。って、頭の片隅に忘れないで。

あなたには、大きな力と可能性があるということです。

改めて、なかじさんの「就職してプロになる」という提案ですが、これは「ブログを成功させること」に限らず、どんな人にとっても必要な考え方なんじゃないでしょうか?

先行きが極めて不透明なこの時代。それでいて、「100年人生」と言われるようなきわめて長い時間の流れの中で、自分の人生を模索し続けなければならない時代。

同じ場所にとどまり続けることに、リアリティを感じなくなっている人たちは、きっと大勢いるんじゃないでしょうか。

ならば、「自分と自分に身近な人たちがある程度食べていけて、今まで以上に大きな幸福感を感じられるような人生を送れるのであれば、居場所を変えることをいとわない」と考える人も出てくるはずです。

「就職してプロになる」というのは、「たとえば3年程度の短期間でいいから何らかの職に就いて、そこで得られた知識や体験をコンテンツ化しよう」という考え方を指しています。仮に1年間という従事期間であったとしても、アルバイトや素人では手に入らない「専門性」や「特別な体験」を手に入れられる。

もし、フットワークの軽い人なら、

1.半年間、何らかの仕事に「深く」関わる。
2.仕事から離れて(場合によっては仕事を続けたまま)コンテンツを作る。
3.コンテンツを売る。
4.仕事を変え、また半年間頑張って専門性や特別な体験を身につける。

こういうことを繰り返すだけで、想像以上の収穫が得られると思います。

今までは、短期間で仕事を転々とする行為自体、評価の対象にはなりませんでした。定着率の悪さは会社への忠誠心も低くなることが予想され、履歴書に転職歴が並ぶだけで採用に関しては敬遠されてきたはずです。

しかし、少し見方を変えるだけで、転職歴の多さは大きな価値を生むことにつながります。アイディア次第です。私自身は、この「アイディアで現状を変える」という考え方に、とても大きな価値を置いています。

センセイは夏休みに経験値を上げよう

さて、「センセイの夏休み」です。

私はこの30日間で、直接教師の仕事に関係を持たないスキルの習得に圧倒的な時間をかけたいと考えています。ひと月後には、また忙しい日々が始まる。だから、今のうちに始めておいた方がいいことに着手する。

種を蒔くんです。いつか大きな収穫が手に入れられることを夢見て。

「30日間で何ができる?」

あなたは、そう問いかけるかもしれません。でも、映画『マトリックス』で、仲間を救出するためにトリニティがヘリの操縦法をマスターした時間は、わずか10秒足らずです。

そう、映画の世界の話です。ですが、こんな言葉を聞いたことはありませんか?

「数か月あれば、何かひとつの専門分野を身につけることは、可能だ。」

情報起業家の和佐大輔という人が、そう言っています。

・・・これは、真実ではないでしょうか?

多くの人が、長期の休みがあろうとなかろうと、いつもと変わらない日々を送っています。なぜそうするのか? それは、「長期の休みに普段の仕事をまとめて進めてしまおうとするから」です。つまり、せっかくの長期の休みも、普段の仕事の延長線上としてしか見ていないわけです。

だから、ドラマが始まることはありません。多くの人が「通行人Aのままでいい。主役にならなくても構わない。私は通行人Aの役割を磨き続けるんだ」と言わんばかりの日々に甘んじてしまっています。

30日あれば、経験値は上げられる

これは個人的な見解ですが、私は「教師の仕事は5年真剣に打ち込めば、プロになれる」と思っています。ですから、10年もやれば、「むしろ転職してもいいんじゃないか」と思います(笑)。

教師が長く学校内部にとどまり続けることは、弊害が大きいのです。保守的な姿勢が強化されるばかりで、時代との齟齬が大きくなり、生徒を伸びやかにしない。

次世代を本気でいい方向に導きたいと願うなら、仕事を辞めろ、とは言いません。ですが、教師の仕事を続けながら、学校以外の世界をできるだけ多く見ることが必要です。そして、学校教育だけで完結する知識やスキルではない、もっと汎用性の高い知識やスキルを身につけなければなりません。

あなたのその先取性が、ゆるぎない自信をもたらし、生徒を見つめる寛容なまなざしにもつながります。

「数か月あれば、何かひとつの専門分野を身につけることは、可能だ。」

そう、可能です。あなたは、30日間で何か一つのことを成し遂げられるはずです。もし30日間で終わらなくても、その後の数か月にわたって専門分野を取得する足掛かりになるかもしれません。

「センセイの夏休み」が始まりました。
30日後のあなたに会うのが、本当に楽しみです。
一緒に頑張りましょう。

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