89 まず、与えよ

仕事で成功する

皆さんこんばんは角松利己です。

今回は、和佐大輔さんという情報起業家の言葉を紹介します。
彼は障害者でありながら、情報起業家の一人として社会的経済的に成功を収めている人物です。

不信感を払拭する方法

ところで、あなたは「情報商材」に対して、どんな印象を持っていますか?

私は、「好き」です(笑)。

私にとって「情報商材」とは、

 ・私の関心の高い領域に関することを、

・私が言語化したくてもできなかった内容を、

・わかりやすく説明してくれる機能を持つもの

です。

ひと言で言うと、

「生活を豊かにしてくれるもの」

なんです。

だから、「欲しい!」と思えば、自分の裁量の範囲ですぐに購入してしまいます。

情報商材は「動画」だったり、「音声」だったり、「PDFファイル」だったり、「オンラインセミナー」だったり、様々な形態をとります。

基本的には、何らかの形で「手元に残るもの」なので、私にとっては「形のある商品」と、そんなに違いはありません。

前述の和佐さんは、こういった「情報商材」の販売を主にしている人です。

彼はこう言っています。

「情報商材は、商品としての明確な形を持ちません。そのため、形のないものを売ろうとする情報起業家にとって最も大切なことは、顧客からいかに信用してもらうか、ということになります。『情報』というきわめて曖昧模糊とした存在に対して、顧客に気持ちよく、納得ずくでお金を払ってもらう。この点に全身全霊をかけているのです。」

「納得ずく」というのがポイントです。後でクレームにでもなったら、長いつきあいはできません。

ちなみに情報起業家は、「売り切り」という発想をすでに捨てています。良い商品を何度となく顧客に届け、末永いつきあいをしていく。それが、自身の利益につながることを熟知しているからです。

クレームに発展させないことは、とても大切なこと。でも、これって「ビジネスの基本」ですよね。

和佐さんは、顧客に対する姿勢を、こう表現しています。

「Over promise, over deliver.」

よく意味がわからないので、Google翻訳で調べてみました。そしたら・・・

「約束以上、納期超過」(爆)

納期を超過しちゃあ、いけません。(笑)

正しくは、

「顧客の期待以上の価値提供を彼らに約束して、その期待以上の価値提供をしましょう。」

ということです。

和佐さんは、こうも言っています。

「与えよ。さらば求められん。」

聖書の一節に、「求めよ。さらば与えられん。」というものがありますが、それをもじったコピーです。前後を入れ替えただけですが、秀逸なコピーだと思います。

これはどういうことかというと、

情報商材の価値を顧客に理解してもらうためには、たとえば動画・音声・PDFファイル等の「無料オファー」を「まず与える」必要がある、

ということです。先に与えた結果として、そこで勝ち得た信頼を元に、以降は顧客から求められる存在になるわけです。

そのために、顧客への最初のアプローチである「無料オファー」の価値は、

「Over promise, over deliver.」

でなくてはならない。最初に圧倒的な価値提供をして信頼されることが、情報ビジネスでは必須なんだと言うことです。

まず自らが「与え」、そうして初めて、顧客から「求められる」。
「価値を提供するとは、どういうことなのか?」 といった質問に対する一つの回答が、ここにはあります。

ビジネスの世界では、

「顧客の想像をはるかに超える価値を提供すること」

が、成功の第一歩と考えられているわけです。

ビジネスとは、信頼関係

では、学校教育にとっての「成功」とは、何なのでしょうか?

仮に、学校をビジネスの場と捉えた場合、「顧客である生徒との信頼関係の構築」が最優先になるはずです。生徒から信頼が寄せられていれば、教師はやっていけますし、ちょっとした事態が起こっても、生徒から理解されていれば十分に乗り切ることができるでしょう。

では、教師は具体的に生徒に対してどのように働きかけるか? 「5W1H」で考えてみましょう。

Q:いつ?
A:常に。「学校におけるあらゆる教育機会を捉えて」、です。(笑)。

Q:誰と?
A:生徒はもちろん、同僚、保護者、事務職員、その他、学校を支えるすべての人たちが対象となります。

Q:どこで?
A:あらゆる場所で。

Q:何を?
A:信頼関係を

Q:どうする?
A:構築する。

Q:なぜ?
A:学校や教師の「成功」につながるから。

Q:どうやって?
A:・・・・・・問題はそこですよね。そう、どうやって??

まず、理由について簡単に説明します。

なぜ、教師は生徒と信頼関係を築かなくてはならないのか? その理由は、以下の5点です。

 ・生徒がいなければ、教師は失職するから。

・教師は依然として、生徒にとってのロールモデルだから。

・学校教育は、生徒と教師の相互作用があって初めて成立するから。

・生徒から寄せられる信頼感は、「教師の誇り」を支えてくれるから。

・生徒は保護者との架け橋を務めてくれるから。

では次は、信頼関係を築く方法です。どのように信頼関係を構築すればいいでしょうか?

この疑問については、いろんな観点から説明できそうですが、究極はひとつです。

教師を27年間務めてきた私が理想とする学校。それは、

自分の子どもを通わせたいと思えるような学校。
「こんなふうに自分の子どもを扱ってほしい」と思えるような学校。

抽象的な表現になりますが、もし、「学校」というものがこの先も存在するとしたら、これが私の理想とする学校の最終形です。

だから、「そのような学校」を作るために仕事に取り組んでいくしかありません。

生徒は何を期待している?

ところで、教師がそのような学校を作るためには、生徒に対して「彼らの期待以上の価値提供を約束して、その期待以上の価値提供をする」ことが必要になるわけですが、それはどんなことを指しているのでしょうか?

このことを考える上で、まずは「生徒の期待」とは何なのかについて、想像してみましょう。

生徒が学校や教師に期待していること、それは、

生徒の期待

 ・個々の進路実現を果たしてくれること。

・学校生活自体が楽しいこと。

・安心で安全な環境を保障してくれること。

・友人関係がうまくいっていること。

・刺激に満ちていること。

・一緒に作り上げる場所であること。

・公平に扱ってくれること。

・形式やルールを至上としないこと。

・実力がついているのを実感できること。

・話を聴いてもらえること。

・方向性を示してくれること。

などです。リアルでしょ?

・・・実は実際に生徒に尋ねてみたことがあるんです(笑)。

私が彼らのニーズを聞いて、最初に思ったことは、

「学校は、いくつ実現できているのかな・・・」ということでした。もっと正直に言えば、「実現できていない」ということです。現状として、逆の方向を向いている。「期待以上の価値提供」どころではありません。

次に思ったことは、

「じゃあ、これらすべてのニーズを実現するには、どうすればいいだろう・・・?」

という点でした。そして、「すべてのニーズを実現する方法」は、実は存在します

その方法とは、2つ。

1つ目は、私たち教師が、教師を「捨てる」ということです。
そして2つ目は、「本質」に基づいた教育を行うことです。

教師としての旧来的価値観を捨てれば、生徒にとってのニーズはほとんど実現します。

教師が形式偏重主義を捨て、プロセス偏重の考え方を捨て、現実から乖離した道徳論を捨て、「先生」としてではなく「単なる人生の先輩」程度のスタンスで相談に乗り、未来の動向を注視し、選択肢を示し、生徒に選ばせる。

これだけで、うまくいきます。

きわめて現実的な教育ですが、これを補強する材料として必要になってくるのが、「理念」です。その理念を作るのが、「本質へのまなざし」ということになります。

現実偏重が行き過ぎると、ギスギスしますよね。児童生徒は未来を創る存在ですから、現実に対処しながらも理想を追い続ける姿勢を持ち続けて欲しい。だから、「本質へのまなざし」が必要になるんですね。

「本質」とは、「押さえるべきポイント」とも言えますし、「心に安定をもたらすもの」とも言えますし、「課題にぶつかったときの処方箋」とも言えるものです。

いわゆる「道徳」的側面が強い内容になりますが、「本質」は普遍性が高く、時間や空間を超えて強い影響力を放つ存在なので、無視するわけにはいかないんです。あなたが身につけた「本質」が、あなたの人生そのものの方向性を決めてしまうわけですから。

生徒の期待以上の価値提供を約束する

「期待以上の価値提供」を生徒に約束する。

生徒との「約束」は、教師であるあなたの行動を規定します。もし「約束」を破ってしまったら、生徒との信頼関係を取り戻すために、いったいどれくらいのコストがかかるのでしょうか・・・? きっと、想像以上に大変な状況が生まれると思います。

でも、だからこそ「約束」することには価値が置かれるわけです。

その上で、「約束以上の価値提供をする」。教師にとっては、高いハードルですよね。

でも、私たちがそう決めて、決めたとおりに行動すれば、誰よりも成長を果たすのは、私たち自身であるはずです。「生徒に対して」という思いが、結果的に、私たち教師に返ってくる。ならば、やらない手はないでしょう。

繰り返しますね。

「顧客の期待以上の価値提供を彼らに約束して、その期待以上の価値提供をしましょう。」

教師が扱っているのは、「情報」ですよね。情報には明確な形がないし、価値を測りにくいものです。そういったものを私たちは日々、「売って」いる。

情報起業家は、自らの持つ情報を、顧客に「気持ちよく、納得ずくで」購入してもらえば成功です。

では、教師は生徒に、自らが持つ情報を「気持ちよく、納得ずくで」受け取ってもらえているか。

この問いに、私たちは答えなければなりません。

そのために私たちができることは、

教師を「捨てる」こと。
「本質」を知ること。

この2点です。

さらに。

「顧客」とは、生徒を指すと同時に私たちのことも指しています。
本当の「顧客」は、私たちであることを忘れてはいけません。

あなたが、あなたに対して、期待以上の価値を提供すると約束する。そして実際に、行動する。

まず、あなたが成功する。それが巡り巡って、周囲の人を幸せにします。結果として、教師は生徒に利益をもたらすことになるんです。

結論。あなたが最優先すべきは、「あなたという顧客」です。

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