TEACHERS×7HABITS
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教師を捨てれば、教師になれる。
スキマ時間で、教師の常識をアンインストールする。
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あり方は見方に直結している
パラダイムと人格を切り離すことはできない。人間においては、あり方は見方に直結するものであり、どう見るかとどうあるかは強い相関関係で結ばれているからだ。あり方を変えずに見方を変えることはできない。その逆もまたしかりだ。
『完訳 7つの習慣 人格主義の回復』p27
たとえば「いじめ」がもたらしたパラダイム転換
パラダイムとは、「物事をどう見るか」ということ。そして、私たちの「物事の捉え方」は、私たち個々の人格と深く結びついている。「人格」は、生まれてから現在に至るまでの過去をその都度捉えてきた蓄積だから、結局、「人格」とは「パラダイムの集積」、ということになるだろう。両者が直結するのは必然だ。
ところで、いわゆる「パラダイム転換」とは、「価値観の衝撃的な変化」を指している。つまりそれは「コペルニクス的転回」に等しく、その人がそれまで積み重ねてきた信念や信条が、一瞬のうちに吹き飛んでしまうことを意味する。私の人生においても、そのような「価値観が一瞬にして大きく変わってしまう」出来事があった。
たとえば、中学時代にいじめられた経験。
一番きつさを感じたのは、普段は一緒に仲良く遊ぶ友人が、私のいじめに「その時だけ」加担し、いじめが止んだら「何事もなかったように」話しかけてきたことだ。彼らはつまり、「うまく立ち回っていた」に過ぎないわけだが、私はいじめの首謀者たちよりも、状況次第で露骨に態度を変える友人たちの方がよほど理解できなかった。
時は流れて、現在の私が当時のいじめ体験を振り返って思うことが3つある。それは、
1.「状況で態度を変えるのは、とにかくカッコ悪い」という教訓。
2.「私は正しいことが正しく行われている状態に大きな価値を置く人間だ」という自覚。
3.「人間のこころは一筋縄ではいかない」といった好奇心。
現在の私が極力「属人主義」から距離を置き、普遍性の高い原則に依拠して生きるようになったのは、いじめ体験があったからかもしれない。「強いものには巻かれろ」と言われるような生き方は、好きになれない。
どうせ巻かれるなら、普遍性の高い概念だ。誠意、謙虚、誠実、勇気、正義、忍耐、勤勉、質素、節制。そして人間の内面にあるこれらの概念は、「成功の条件」と考えられている。だからまず、一人の人間として「自己満足的に」成功を収めようと思う。
人間心理に大きな興味を持ったきっかけになった点も大きかった。私は現在でもカタさの残る人間だ。理想主義者で、現実主義者。朝令暮改をいとわないが、要の部分での変節を嫌う。「それをやったらおしまい」「それだけは譲れない」と言われる部分については、幼少期からずっと変わっていない。
仲のいい友人がいじめる側に回ったことは、私にとって、とても切ないことだった。
しかし、切なさと同じくらいの大きなパラダイム転換でもあった。
「正しさは常に優先されると思っていたが、人の心は、そんなに簡単に割り切れるものじゃない。自分を守るために誰かを裏切ることもある。では、正しさとやましさの狭間では、どんな葛藤が展開されているんだろうか。表面的な損得勘定を超えるためには、どんな考えが必要なんだろうか?」
人間の気持ちの不思議さに囚われた時だった。
そして中学卒業からおよそ20年経った頃、偶然にも心理学を学ぶ機会に恵まれ、2年間だけではあるが、没頭する機会に恵まれたわけだ。
「教師を捨てた」時、パラダイムシフトは起こる
学校では多くの生徒が日々、複雑な関係性を結んでいる。学校は、いわば「パラダイムシフトの宝庫」だ。(関連記事は、こちら。)そして、教師自身もパラダイムがシフトする機会を積極的に受け入れなければならない。
あなたがパラダイムシフトする時は、
従来の学校の価値観を疑問視し、
生徒にとって本当に必要なことは何であるかについて悩み、
「違う」とわかっていても表面的な対応を、本質からほど遠い対応をせざるを得ない時だ。
つまり、
あなたが教師の立場を離れ、長期的で本質的な視点に基づいて問題を捉えた時だ。あなたが「教師を捨てた」時に、パラダイムシフトは起こる。
だったら、怖がらずにどんどん「捨てて」欲しい。あなたが従来の教師としての価値観を見直し、陋習から解き放たれるたびに、あなたの中で、パラダイムシフトが起こる。
それは、あなたを人間的に非常に魅力的な存在に押し上げてくれるはずだ。
なぜなら、
パラダイムシフトの瞬間に、あなたという人間の「あり方」が、変わっているから。
あなたの人格が、周囲に解き放たれるから。
公立高校の現役教師。教員経験28年(2021年3月末現在)。「教師は、仕事&私生活&リタイア後の人生、すべてにおいて成功すべし!」が信条。教師が成功すれば、学校は変わり、生徒も魅力的な大人に成長します。まず教師であるあなたの成功を最優先課題にしましょう。
☑心理学修士(学校心理学)
☑NPO法人「共育の杜」オンラインサロン『エンパワメント』専任講師
☑一般社団法人7つの習慣アカデミー協会主催「7つの習慣®実践会ファシリテーター養成講座」修了。ファシリテーターを3年務め、セミナーを開催。
☑ハンドルネーム「角松利己」は角松敏生から。
「原則」&「ビジネス思考」で、教師が自由になるための方法をお伝えします。