歴史人口学者
エマニュアル・トッドによるコメント。
*2019年2月28日(木)読売新聞
以下、概要です。
・日本は自国の人口問題に手を打たず、世界で最も老いた国になり、
この10年近く人口減少の坂を下っている。・日本人が移民を拒むのは、日本人同士でいる状態を失うのが怖いから。
・「日本人同士」に固執する先には衰退しかない。
・日本社会は自己完結の域に達している。
・移民受け入れの最大の障害は、経済的飛躍の後に形成された日本社会の自己完結にある。
・日本人は、「完結していない自己」を受容できるのか。
引用ここまで。
トッドの指摘には、「日本の国力維持」という問題以前に、
「仲のいい人や、知っている人としかつきあわない」
といった雰囲気が社会の細部に行き渡り、そのせいで、様々な状況に対して打開策を見いだせない日本人の姿が浮き彫りにされています。
「移民受け入れ」といったレベルではないですね。
局所的に見れば、たとえば教員も、生徒も、学校に来て、数名の話しやすい仲間とだけ話をして帰宅する。
頭を働かせず、こだわりもなく、予定調和を反復する。
改めて、島国根性から抜け出せていない状況を突きつけられた感じです。
トッドは、「古代から外部に自らを開き、世界の変化に不断に適応してきた日本にとって、
「“適応”こそが本質である。」
と提案することで活路を見いだしていました。
おそらく、「戦後70数年間」という期間自体が、私たちにとっては、きわめて特殊な期間だったと言えるのではないでしょうか?
高度経済成長を果たした日本は、わずか70数年間、なれ合いの関係に安住してきただけ。
この3世代程度に形成された価値観の中で生きてきただけ。
その気になれば、簡単に「仲間」を作れるはずなのに。
「変化に対応する」と言うより、あるべき姿に回帰するだけのこと。
トッドの言葉を聞いて、切迫感を覚えるのではなく、本質を追求しなければ、と思ったわけです。
とはいえ、「あるべき姿」に戻るためには、安寧からの脱却が必要です。
トッドは言います。「日本人同士から抜け出せ」と。
それは、原点に帰ること。
過去に何度も日本人がチャレンジしていたこと。
理想を求め、違和感なく取り組めていたことです。
ならば、必ずできるはず。
「日本人同士という世間」から抜け出して初めて、「社会」が見えてくるはずです。
公立高校の現役教師。教員経験28年(2021年3月末現在)。「教師は、仕事&私生活&リタイア後の人生、すべてにおいて成功すべし!」が信条。教師が成功すれば、学校は変わり、生徒も魅力的な大人に成長します。まず教師であるあなたの成功を最優先課題にしましょう。
☑心理学修士(学校心理学)
☑NPO法人「共育の杜」オンラインサロン『エンパワメント』専任講師
☑一般社団法人7つの習慣アカデミー協会主催「7つの習慣®実践会ファシリテーター養成講座」修了。ファシリテーターを3年務め、セミナーを開催。
☑ハンドルネーム「角松利己」は角松敏生から。
「原則」&「ビジネス思考」で、教師が自由になるための方法をお伝えします。